量子もつれ光子対に基づく医用多分子間相互作用イメージングの創出

従来のPET (Positron Emission Tomography) 等の核医学診断装置は放射線同位元素(RI)の集積の可視化のみが可能でした。JSTさきがけ「量子生体」領域研究で見出したpH等の化学状態をもつれγ線を用いて観測する原理を用い、開発してきた広帯域のガンマ線を可視化するコンプトンカメラ技術を高度化し、分子間相互作用や生体内の化学状態を体外から非侵襲的に撮像する装置の開発を目指します。さらに、開発したイメージング装置を用いて、他研究計画班で研究開発する新規もつれ光放出核種、薬剤送達システム(C01)と原子核-電子相互作用理論(D01)、細胞薬剤動態解析(B01)との融合により、悪性腫瘍診断・治療薬剤の細胞内取り込み可視化や細胞内pHの測定実証、小動物での分子間相互作用可視化実証実験を行います。

分子間相互作用非侵襲イメージング概念図と実験装置の写真
もつれ光を用いたpH環境の検出予備実験

メンバー

研究代表者:島添 健次(東京大学・大学院工学系研究科・准教授)
研究分担者:上ノ町 水紀(京都大学・宇宙総合学研究ユニット・特定助教)